厚木の酒場文化を支えるのは、長年この街のカウンターに座り続けてきた常連たちのリアルな選択眼です。地元の大手メーカー工場に20年以上勤務する50代男性は、路地裏の老舗ホルモン店で煙を浴びながらこう語りました。
「大手チェーンの派手な看板は数年おきに入れ替わるけれど、ここのモツ焼き屋は俺が入社した時からずっとこの価格でやってる。肉の鮮度が違うから、タレじゃなくて塩だけで酒が何杯でも進むんだよ。チェーンの飲み放題で薄い酒を何杯も流し込むより、ここで鮮度抜群のホルモン2皿と濃いめのホッピーを3杯飲む。これで2,000円ちょっと。これ以上の贅沢はないね」
また、市内キャンパスに通う現役大学生のグループは、北口の安居酒屋を賢く使いこなすコツを明かしてくれました。
「先輩から受け継がれている鉄則は、ハッピーアワーで入って18時までにしっかり飲んで、一次会を1人1,500円で切り上げること。ネットのクーポンを提示すれば単品飲み放題がさらに200円引きになる店も多い。浮いたお金で2次会にちょっといいラーメンを食べに行くのが本厚木スタイルの定番です」
現場を観察すると、利用者は単に「総額が安い」ことだけを求めているのではなく、「支払った金額に対する体験価値の高さ(原価率の高さ・居心地の良さ)」をシビアに見極めていることが分かります。