関西のオカルト系ブログやネット掲示板において、日の丸展望台は長年「心霊スポット」として名前を挙げられてきました。「女性のささやき声が聞こえる」「不可解な足音が反響する」といった噂が定番化していますが、これには極めて明確な建築物理学的・音響学的なタネ明かしが存在します。
日の丸展望台の最大の特徴は、中央が窪んだ「すり鉢状(逆円錐形)のコンクリート造り」にあります。この形状は、音波を一点に集束させるパラボラアンテナと全く同じ原理を持ちます。中心部に立って声を発すると、周囲の傾斜した硬いコンクリート壁に反射した音波が瞬時に耳元へ跳ね返り、強いサラウンドエコー(フラッターエコー)が発生します。
さらに、遠く離れた場所(道路沿いやスロープ上)の微細な話し声や木の葉が擦れ合う音が、すり鉢状の壁面を伝って中央部に集音されます。夜間の静寂の中でこの現象に直面した来訪者が、「誰もいないはずなのに耳元で声が反響した」と恐怖を感じ、怪異現象として語り継いだのが噂の正体です。
また、現地および管轄警察署の過去ログを精査しても、日の丸展望台自体が特異な重大事故や事件の現場となった公的記録は存在しません。無機質なコンクリートの造形美と漆黒の闇、そして音響効果が生み出した「心理的錯覚の産物」と断定できます。