長年親しまれた銀座3丁目の路地裏から、銀座一丁目駅至近の「G-1ビル」へと銀座スイス本店の移転先が決定し、新たなスタートを切ったのは2022年2月のことでした。オープン当初、古き良き昭和の喫茶洋食の面影を期待して訪れた古参の常連客からは、「あまりに洗練されていて驚いた」「敷居が高くなったのでは」といった当惑の声が一部で上がったのも事実です。
しかし、現在の銀座スイス本店に足を踏み入れると、その懸念は心地よい高揚感へと覆されます。地上階は気軽に立ち寄れるカウンター席や明るいテーブル席を配し、地下フロアには重厚な木目と間接照明が調和する優雅なダイニングが広がっています。単に店舗が新しくなっただけでなく、銀座の老舗洋食店としての格式を現代のファインダイニング水準へと見事に昇華させたのです。
運営元が掲げたコンセプトは「温故知新の洋食エンターテインメント」。初代総料理長であり、かつて首相官邸や帝国ホテルなどで腕を振るった洋食界のレジェンド・岡田進之助氏の信念を現代にリブートした店内では、カジュアルな一人ランチから記念日を祝う特別なディナーまで、幅広い客層が思い思いの時間を過ごしています。銀座スイス本店の現在は、昭和の遺産を守りながら、21世紀の銀座にふさわしいプレミアムな体験を提供するハイブリッド型レストランとして強固な支持を集めています。