日米安全保障条約の改定や運用を巡っては、常に「表の外交」と「裏の了解」が存在してきた。アメリカ合衆国国務省の機密文書が数十年を経て開示されるたび、在日米国大使館や公邸内でどのような議論が交わされていたのかが明るみに出て、世界を驚かせている。
冷戦期、極東の拠点として機能したこの公邸では、有事の際のアメリカ軍の動きや基地負担の分担に関する「口頭了解」が頻繁に交わされた。公文書には残らないが、大使と日本の総理大臣・外相との信頼関係のうえに成り立っていたこれらの合意こそが、同盟関係の真の実効性を支えていたのだ。