長浜市民プール(神照運動公園プール)が閉場を余儀なくされた直接的な要因は、施設全体の壊滅的な老朽化です。開設から30年以上が経過した現場では、地下に張り巡らされた給排水管の腐食による深刻な漏水、プール槽のコンクリート躯体のひび割れ、さらにはろ過循環ポンプや電気設備の機能不全が連鎖的に発生していました。
長浜市が実施した施設健全度調査の報告書によると、安全基準を満たした状態で運営を継続するためには、概算で3億円から5億円を超える大規模改修工事が必要と試算されました。しかし、屋外型レジャープールが稼働できるのは7月中旬から8月下旬までのわずか40日前後。年間の大半を休眠状態で過ごす施設に対し、巨額の公金を投じることへの妥当性が議会および行政評価の場で厳しく問われることになったのです。
加えて、少子化に伴う年少利用者の減少と、維持管理費の高騰という二重苦が重なりました。利用料金は一般市民が気軽に利用できるよう大人数百円、小中学生は100円から200円程度と低廉に設定されていたため、独立採算には程遠く、毎年の運営管理費の大部分を一般財源(市の税金)からの補填に頼る構造が常態化していました。人口減少が進むなかでの公共施設等総合管理計画に基づき、「ハコモノの選別と集約」が断行された結果が、今回の利用停止と閉鎖という決断です。