マクドナルドの歴史において、2010年1月15日は特別な節目として語り継がれています。アメリカの広大な大地と食文化をテーマにしたキャンペーン「ビッグアメリカシリーズ」のトップバッターとして投入されたのが、「マック テキサスバーガー 初代」でした。当時の日本マクドナルドは「本格派バーガー」への舵切りを加速させており、その象徴となったのがこの一品です。
発売が開始されるやいなや、全国各地の店舗に長蛇の列が発生しました。日本マクドナルドの当時の公式発表や報道各社の取材データによると、発売開始からわずか数日で予定数量を大幅に突破し、一部店舗ではランチタイムを待たずに当日分が完売する事態が相次ぎました。「マックで買えないバーガーがある」という前代未聞の事態はワイドショーやSNSの草創期を席巻し、一種の社会現象として日本中を巻き込んだのです。
初代の最大の特徴は、妥協を排したワイルドな構成にありました。通常のビーフパティの約2.5倍に相当する1/4ポンドビーフパティ(約113g)を主役に据え、カリカリに焼き上げたベーコン2枚、濃厚なチェダーチーズ、そして食感のアクセントとなるフライドオニオンを贅沢にサンド。さらに、スモーキーな香りが際立つ特製バーベキューソースと、ツンとした辛味が肉の脂を引き締める粒マスタードレリッシュというダブルソースを採用しました。真ん中にもう1枚バンズを挟む専用の3段バンズがすべての具材を受け止め、ひと口食べた瞬間に広がる豪快なアメリカンフレーバーは、それまでの日本のファストフードの常識を根底から覆しました。