もともと官職名であった歴史的な名称は、律令制下における出羽国の国司長官を指す言葉だった。それが現代のネット文脈において、「〜では」という接尾辞の響きと掛け合わされたダジャレとして再解釈された経緯は興味深い。2000年代初頭のアノニマスな掲示板文化の中で誕生したこのミームは、自国の制度や文化を卑下し、欧米の規範を無条件に絶対化する言説に対する冷ややかな反論として重宝されてきた。
しかし時代が下るにつれ、この言葉自体が持つ攻撃性も変化を遂げた。かつては滑稽な極論を嗤うための符牒だったものが、現在では建設的な比較議論すら封殺するための手軽なレッテル貼りとして使われる側面も否めない。ミームの変質は、ネット言論における対話の余裕が失われていった歴史そのものを映し出している。