漫画の実写化が成功するか否かは、主人公単体の完成度だけでなく、周囲を取り巻くキャラクターとのアンサンブルが決定づけます。本作の配役は、現在振り返っても奇跡的なバランスを誇っていました。
猛男が一目惚れするピュアな女子高生・大和凛子役には、当時まだ本格的なブレイク前であり現役女子高生だった永野芽郁が抜擢されました。オーディションで選ばれた彼女の持つ圧倒的な透明感と屈託のない笑顔は、猛男の不器用な優しさを引き出す最高の触媒となりました。鈴木亮平は現場でも常に猛男として佇み、初々しい永野芽郁がプレッシャーを感じずに伸び伸びと演じられるよう、温かな空気作りに徹していたことが撮影日誌などで語られています。
そして、猛男の幼馴染であり無二の親友である超絶イケメン・砂川誠を演じたのが坂口健太郎です。クールで達観しながらも、誰よりも猛男の誠実さを理解し背中を押す「スナ」の佇まいは、原作ファンからも絶賛されました。筋骨隆々で感情が表に出る鈴木亮平と、スラリとスマートでポーカーフェイスを崩さない坂口健太郎のコントラストが、映画に絶妙なテンポとユーモアをもたらしました。
さらに、猛男の父親役の寺脇康文、母親役の鈴木砂羽といったベテラン陣の盤石なサポートもあり、剛田家のユーモラスかつ深い家族愛の描写が、単なるティーン向けラブコメディの枠組みを大きく押し広げました。