「一般人であるお相手」に対する報道のあり方は、当時の出版界や報道機関に甚大な反省を迫ることとなった。一部の週刊誌や地方紙、ネットメディアは、身元の特定を競い合い、実名や顔写真、さらには実家のルーツまで掘り下げる報道を展開。PV数や販売部数を優先するスクープ主義が完全に裏目に出た形だ。
公人ではない人物に対するプライバシー侵害のラインはどこにあるのか。一般的に、有名人と結婚した相手であっても、自ら公人として露出しない限りは私生活の保護を受ける権利がある。だが現実は、過熱する取材陣によってその権利が容易に踏みにじられた。この事件は、日本のメディア空間における「一般人保護の脆弱さ」を白日の下に晒したのである。