受検を検討する家庭が最も注視しなければならないのが、「全員が高校へ進学できるわけではない」という現実です。
大阪教育大学附属高校天王寺校舎の内部進学制度(連絡進学)では、中学校から高校へ進める枠はおよそ6割〜7割程度とされています。学年の約3割から4割の生徒は、外部の公立高校や私立高校への転出を余儀なくされます。
この連絡進学テストおよび日頃の学内成績評価は、極めて厳格に行われます。「中学受験で合格したからといって高校までエスカレーターで進める」という認識は明確な誤解です。中3の夏から秋にかけては、連絡進学枠の獲得をめぐって学内に独特の緊張感が漂います。内部進学を逃した生徒たちは、大阪府立の天王寺高校や三国丘高校、あるいは清風南海高校や西大和学園高校などの難関私立高校へ進路を切り替えることになります。
もうひとつの盲点が、入試当日の検査科目です。附天中の過去問傾向を研究している塾関係者が口を揃えて指摘するのが、実技教科・副教科のウェイトです。
一般的な私立難関校の入試が「国語・算数・理科・社会」の4教科(または3教科)で争われるのに対し、附属天王寺中の入試では音楽、図画工作、家庭、体育といった副教科の検査が課されます。配点比率こそ主要教科より低いものの、合否ボーダーラインに数十人がひしめく中で、副教科の失点が致命傷になるケースが毎年後を絶ちません。運動能力や絵画・工作の実技、リコーダー演奏や楽典の基礎知識など、日頃の小学校教育全般にわたる真摯な姿勢が問われる仕組みになっています。