一般の気象ファンやビジネスパーソンの間で最も誤解されているのが、「傘マークがついている=その日は一日中雨が降る」という思い込みです。気象庁の定義において、降水確率は「対象地域内で一定時間内に1mm以上の雨が降る確率」を示しているに過ぎません。10日先の降水確率50%とは、「同じような大気状態が過去に100回あった場合、そのうち50回でわずかでも雨が観測された」という意味であり、決して「1日の半分の時間で雨が降る」わけでも、「強い土砂降りになる」わけでもありません。
予報の真相を見極めるために、ネット検索で一歩踏み込んで確認してほしいのが週間アンサンブル予報図です。現代の数値予報では、コンピュータで計算を行う際、最初の気象観測データ(気温・気圧・風向など)に意図的に微小な誤差を加えた「数十パターンのシミュレーション」を同時に走らせます。これがアンサンブル予報です。
アンサンブル予報図を見たとき、数十本の計算結果(メンバー)が同じようなコースを辿り、きれいに束ねられていれば「ブレが極めて小さく、信頼できる気象状態」と判断できます。逆に、低気圧の進路や気圧配置がバラバラに散らばっている(スプレッドが大きい)状態であれば、気象庁のスーパーコンピュータですら大気の未来を決めかねている状態です。このスプレッドの広がりを知らずに単一の天気マークだけを追うことこそが、予報変化に翻弄される最大の原因です。