文字指導の専門家や教育現場の教員への取材において、勝の書き順で間違いやすいポイントとして満場一致で挙げられるのが、5画目から10画目にかけての「右側上部」の組み立て方です。多くの大人が、無意識のうちに「横棒を先に長く引いてから縦や点を打つ」、あるいは「草冠のような要領で横から入る」という誤ったアプローチを採っています。
ここで、迷いを完全に断ち切るために勝の右側の正しい筆順をステップごとに分解して確認します。
まず1画目から4画目で左側の「月」を書き終えた後、視線は右側の最上段へ移ります。ここでの正しいアプローチは次の通りです。
①【第5画】:上段左側の短い払い(「ソ」の左側)
②【第6画】:上段右側の点(「ソ」の右側)
③【第7画】:その下を通る短い横棒
④【第8画】:中段左側の払い(2つ目の「ソ」の左側)
⑤【第9画】:中段右側の点(2つ目の「ソ」の右側)
⑥【第10画】:全体を支える長い横棒(左から右へしっかり引く)
⑦【第11画】:下部「力」の横折れハネ(折れてから内側へ跳ねる)
⑧【第12画】:下部「力」の左払い(交差して左下へのびやかに払う)
つまり、右側の上部は「ソ・一(横)・ソ・一(横)」というリズムで上から下へと層を重ねていくのが公式の規範です。横棒を先に書いてしまうと、文字全体の重心が上吊りになり、後続の「力」を収めるスペースが失われてしまうという造形上の欠陥にも直結します。教育系Webメディアや学習アプリで提供されている勝の書き順アニメーションをコマ送りで確認しても、例外なくこの「点・払い先行型」のストロークがトレースされています。