メガネ作成にまつわる検索領域では、専門知識の欠落から生じる誤認が広く流布しています。現場取材で見えた2大トラップを是正します。
「コンタクトの処方箋でメガネも作れる」という大きな勘違い
「先週眼科でコンタクトの処方箋をもらったから、その数値を伝えればメガネも作れるはず」と考えるユーザーは後を絶ちません。しかし、コンタクト処方箋で作れるかという疑問に対する答えは明確に「不可」です。
理由は、目とレンズの「距離(角膜頂点間距離)」の違いにあります。コンタクトレンズは眼球(角膜)に直接張り付いていますが、メガネのレンズは角膜から約12mm離れた位置に固定されます。光学的な幾何学上、同じ焦点位置を結ぶためであっても、目から離れるメガネのほうが近視度数を強く設定しなければなりません。また、コンタクトでは角膜の涙液レンズ効果で相殺されていた微細な乱視が、メガネでは明確な矯正を要するケースもあります。コンタクトの数値をメガネにそのまま転用すると、間違いなく焦点の合わない不良品が仕上がります。
眼科処方箋の有効期限切れに対する現場対応
もう一つの落とし穴が、眼科処方箋の有効期限です。一般的に処方箋の有効期限は「発行日を含めて30日以内」と定められており、用紙の枠外や備考欄に明記されています。
「数ヶ月前の処方箋が引き出しから出てきたから持っていこう」としても、期限切れの処方箋を眼鏡市場のスタッフに提示した場合、処方箋記載の度数でそのまま受領することは断られます。目の状態は数ヶ月単位で変化するため、期限が切れた書類に法的・医療的な保証能力が残っていないためです。この場合、店舗でゼロから再測定を行うか、改めて眼科を受診して再発行を受ける必要があります。