拘置所から発信された獄中手記や、犯罪心理学のエキスパートたちによる緻密なプロファイリングによって、彼女の「計算されたモテの手口」の全貌が浮き彫りになってきた。木嶋が実践していたのは、恋愛感情の喚起ではなく「情緒的な依存関係の強制的な構築」である。彼女はターゲットに対し、出会いの初期段階から「結婚を前提とした重大な秘密」を共有させ、相手にだけ見せる特別な弱さを演出した。
文藝春秋の手記などで見せた彼女の自己演出力は冷徹なほど客観的だ。自身を「名家の令嬢」「献身的な伴侶」としてパッケージングし、相手のプライドを限界まで刺激する。男性側に「この無垢で素晴らしい女性を自分が守らなければならない」という強烈な庇護欲と使命感を植え付ける心理誘導は、まさに常識を覆す愛人の手腕と言える。相手が疑念を抱く隙すら与えず、自己肯定感の供給源となることで、被害者は自ら進んで資産を差し出す心理状態へと追い込まれていった。