ネット上の相談窓口やSNSの投稿で頻繁に見受けられるのが、すきっ歯のセラミック治療を受けた後のトラブル相談です。なぜ納得のいく結果にならなかったのか、臨床現場のデータや患者の証言からは明確な3つの要因が浮かび上がります。
第1の要因は、健康な天然歯を大きく削りすぎたことによる知覚過敏や歯髄炎です。いわゆる「前歯のすきっ歯を差し歯(クラウン)で治す」手法では、歯の周囲全周を1.0〜1.5mmほど削り込む必要があります。場合によっては神経を抜く(抜髄)処置が行われるケースもあり、神経を失った歯は将来的に破折するリスクが跳ね上がります。
第2の要因は、歯の横幅が不自然に広がり「巨大歯」に見えてしまう審美的な失敗例です。すきっ歯の隙間を埋めるために単純に1本または2本の被せ物のサイズを大きく設計すると、隣り合う歯とのバランスが崩れ、笑ったときに前歯だけが強調される違和感につながります。
第3の要因は、経年劣化による歯肉の退縮と境目の露出です。治療直後は綺麗に見えても、5〜10年が経過するうちに歯茎が下がり、セラミックと歯の境目に黒ずみや隙間が生じるトラブルが現場で多く報告されています。