1970年代に入ると、タツノコプロのクリエイティビティは頂点を極めます。その象徴が1972年に放送を開始した科学忍者隊ガッチャマンです。公害問題や地球環境の危機、複雑な人間ドラマを背景に据えた本格SFアクションは、最高視聴率26.5%(ビデオリサーチ関東地区調べ)を叩き出し、単なる子供向けアニメの枠を完全に超越しました。鳥を模したスーツデザイン、三日月サンダーをはじめとするメカニック演出は、今なおアニメ業界のアクション描写の教科書と評されています。
さらに翌1973年には、公害の元凶であるアンドロイド軍団と孤独な戦いを繰り広げる『新造人間キャシャーン』、1974年には本格格闘アクション『破裏拳ポリマー』、1975年には『宇宙の騎士テッカマン』を連続して投下。「タツノコSFアクション」という確固たるブランドを築き上げました。
一方で、シリアス一辺倒に陥らない柔軟性がタツノコプロの真骨頂でした。1975年にスタートした『タイムボカンシリーズ』(第1作『タイムボカン』、第2作『ヤッターマン』など)は、コミカルなギャグと魅力的な三悪トリオ(ドロンボー一味など)の掛け合い、毎週登場する奇想天外なメカの戦闘で国民的人気番組へと成長。土曜夕方のお茶の間を独占し、玩具メーカーとのタイアップビジネスを定着させる決定打となりました。