音楽ファンの間で長年語り継がれる疑問のひとつが、井上陽水と玉置浩二の正確な年齢と世代間ギャップです。ステージ上で並び立った際の圧倒的な存在感や対等なハーモニーから、同世代のライバル同士のように捉えられることも少なくありません。しかし、生年月日を紐解くと、そこには明確な「10年」の歳月が横たわっています。
井上陽水は1948年(昭和23年)8月30日生まれ、福岡県出身です。団塊の世代の旗手として、1970年代のフォークブームからニューミュージックの夜明けを牽引してきました。一方の玉置浩二は1958年(昭和33年)9月13日生まれ、北海道旭川市出身。高度経済成長の只中に生まれ、ロックやポップスが爛熟期を迎える1980年代に頭角を現しました。学年としてもきっかり10学年離れており、陽水は玉置にとって「一回り近い人生の先達」にあたります。
この10歳という差は、若き日の玉置浩二にとって絶対的な指標でした。玉置が20代前半の多感な時期に、すでにアルバム『氷の世界』で日本音楽史上初のミリオンセラーを樹立していた30代前半の陽水と出会った事実は、その後の玉置の音楽家人生を決定づける契機となります。