物語の二大勢力である、喰種の平和的共同体「あんていく」と、喰種討伐を掲げる国家機関「CCG(喰種対策局)」。この両者が繰り広げた抗争は、双方の陣営にあまりに甚大な犠牲を強いた。
「あんていく討伐戦」では、かつて「梟」として恐れられた芳村だけでなく、魔猿こと古間円児や、ブラックドーベルこと入見カヤといった店員たちも追い詰められた。彼女たちの存在は、喰種もまた愛し、葛藤する生活者であることを証明していただけに、その死は読者に強い喪失感を与えた。
対するCCG側も、法寺項介や宇井郡など、優秀な捜査官たちが次々と戦死・精神的破滅に追い込まれていった。組織の歪んだ正義と、喰種側の生存本能が衝突する戦場は、誰一人として無傷ではいられない地獄絵図だったと言える。どちら側にも「悪」と決めつけられないドラマが存在したからこそ、それぞれの死が胸を刺すのだ。