彼らが登場した2010年代初頭、日本の音楽シーンは大きな転換期を迎えていた。「幻の命」や「虹色の戦争」といったインディーズ時代の楽曲を聴き返すと、当時の彼らが抱いていた強烈な危機感と衝動がストレートに伝わってくる。一見すると可愛らしい音色やファンタジックな詞像の裏側に、中絶、戦争、環境破壊といった重厚なテーマが容赦なく仕込まれていた。
「世界のおわり」というショッキングなバンド名を冠しながらも、彼らが提示したのは絶望ではなく「終わりから始まる希望」だった。メジャーデビュー曲「INORI」やアルバム『ENTERTAINMENT』に結実した初期のサウンドデザインは、現実の生きづらさに苦しむ当時の若者たちの心へダイレクトに刺さり、一気にカルト的な支持から国民的アーティストへの階段を駆け上がらせることになった。