松たか子の私生活において、ファンの間で長年語り継がれているのが、夫・佐橋佳幸とのドラマチックな歩みです。佐橋佳幸は1961年生まれであり、1977年生まれの松たか子とは16歳の年齢差があります。桑田佳祐、山下達郎、小田和正といった日本ポップス界の巨匠たちから絶大な信頼を寄せられる名ギタリストであり、音楽プロデューサーとしても数々の名盤を手がけてきました。
ふたりの出会いは、松たか子が本格的に音楽活動を展開していた2001年の全国ツアーに遡ります。佐橋がバンドマスターおよび楽曲プロデューサーとして参加したことで、表現者としての強い絆が芽生えました。単なる恋愛感情にとどまらず、プロフェッショナルとしての尊敬が土台にあったからこそ、ふたりの関係は時間をかけて深まっていったと当時の音楽関係者は証言しています。
しかし、2007年末に電撃結婚を発表した際、メディアでは様々な臆測が飛び交いました。16歳差という年齢差に加え、佐橋が再婚であったことから、一部の週刊誌では「父・松本白鸚(当時・幸四郎)が結婚に難色を示している」「親子の間にすきま風が吹いている」といった対立構図がセンセーショナルに報じられたのです。当時、父親が公の場で結婚について尋ねられた際に見せた硬い表情を根拠にした報道も相次ぎました。
しかし、そうした外野のノイズを完全に払拭したのは、他ならぬ夫婦の揺るぎない日常でした。結婚後も松たか子は女優として輝かしいキャリアを積み重ね、映画『告白』での映画賞総なめや、ディズニー映画『アナと雪の女王』での歴史的ヒットを記録します。その傍らには常に佐橋の音楽的なサポートと、過度に干渉しすぎない穏やかな包容力がありました。現在では父・白鸚とも良好な関係を保ち、家族の祝い事には揃って顔を出すなど、互いを認め合う円熟した絆が築かれています。