自己流でテーピングを行った読者から「かえって痛みが強くなった」「赤く腫れ上がって歩けなくなった」という相談が後を絶ちません。良かれと思って行った処置が巻き爪テーピング悪化する理由には、明確な3つの構造的エラーが存在します。
第一に、「テープを巻く方向の誤りによる圧迫」です。爪甲引き下げ法は皮膚を「爪から離す」方向に引く必要がありますが、誤って指全体を包帯のようにグルグルと締め付ける巻き方をしてしまう人が目立ちます。指の血流が阻害されるだけでなく、爪の両端の皮膚を内側へ押し込んでしまい、結果として爪の食い込みを自ら悪化させてしまいます。
第二に、「細菌感染・化膿組織への密閉」です。患部から黄色い浸出液(膿)が出ている、または赤く盛り上がった肉芽組織が形成されている状態でテープを密閉すると、内部でブドウ球菌などの細菌が爆発的に増殖します。感染が皮下組織へ広がる蜂窩織炎(ほうかしきえん)に至ると、激しい拍動痛と高熱を伴い、最悪の場合は緊急の抗生剤投与や外科切開を余儀なくされます。
第三に、「テープの貼りっぱなしによる皮膚のふやけ(浸軟)」です。お風呂上がりも数日間同じテープを貼り続けていると、皮膚のバリア機能が崩壊して接触性皮膚炎を起こします。衛生面と張力の持続性を担保するため、巻き爪テーピング毎日張り替えることが鉄則です。入浴時に優しく剥がし、患部を洗浄・乾燥させてから就寝前または翌朝に新しいテープを貼り直すサイクルを守ってください。