数あるタレントの中から、なぜ彼女がこの過酷な挑戦を引き受けたのか。その理由は、彼女自身の生い立ちと分かち難く結びついています。やす子さんはこれまでのメディア取材や自著において、複雑な家庭環境から高校時代に児童養護施設で生活を送っていた過去を公表しています。
「施設での生活がなければ、今の自分は存在しなかった。育ててくれた社会や職員の方々に、形として恩返しがしたい」という強い信念が、彼女を突き動かした根源的な動機でした。この想いを受け、日テレ側も従来の全額一括プール型のチャリティーではなく、全国の児童養護施設のために全額が役立てられる「目的別募金」という新枠組みを創設。これが「児童養護施設募金マラソン」と銘打たれた理由です。
集まったチャリティーマラソン募金額は億単位にのぼり、老朽化した施設の改修や、退所して自立を目指す子どもたちの生活準備資金、進学支援奨学金などにダイレクトに充てられる道筋がつけられました。単なる「番組の名物コーナー」にとどまらず、ランナー本人の出自と福祉への直接還元が完全に合致した点において、このマラソンは歴代でも際立った意義を持っています。