THE BLUE HEARTSの3枚目のシングルおよび同名アルバムの表題曲として世に放たれた『TRAIN-TRAIN』は、叙情的なピアノソロから一転し、感情を剥き出しにしたビートへと雪崩れ込む劇的な展開で幕を開けます。楽曲の根底を貫いているのは、敷かれたレールに対する違和感と、そこから脱線してでも自分の人生を掴み取ろうとする強い意志です。
冒頭の「栄光に向かって走る あの列車に乗っていこう 行き先ならどこでもいい こんなはずじゃなかっただろ」というフレーズは、社会が決めた成功路線や学校教育の枠組みに対する強烈なアンチテーゼとして機能しています。大人たちが敷いた線路の上をただ運ばれるだけの存在になることを拒絶し、不確定な未来であっても自らの足で飛び乗るという決断が描かれています。
さらにヴァース(Aメロ・Bメロ)では、「世界中にさだめられた シャンデリアの灯の下で 誰もが皆 踊っている 自分をだましだまして」と、華やかに見える世間体や欺瞞に満ちた日常を冷徹に描写します。ここで歌われる痛みは、特定の世代に限られたものではなく、組織や世間の空気に適応するために本来の自分を押し殺しているすべての人間に向けられた鋭い問いかけです。