一度開けてしまったシャンパンやスパークリングワインは、そのまま冷蔵庫に入れておくと、翌日にはすっかり気が抜けてただの酸っぱい白ワインへと劣化してしまいます。「スプーンの柄をボトルの口に差し込んでおくと炭酸が抜けない」という有名な都市伝説がありますが、これは現代の醸造科学および官能検査において明確なデマであると証明されています。金属の熱伝導率による冷気対流効果などは極めて微弱であり、気体の脱圧を食い止める物理的障壁にはなり得ません。
翌日以降も開けたてのフレッシュな発泡感を維持するためには、「シャンパンストッパー(発泡ワイン専用キャップ)」の使用が唯一絶対の解決策です。通常のワイン用シリコンキャップやコルクの再挿入では、内圧に耐えきれずにストッパーごと吹き飛んでしまいます。専用のストッパーは、ボトルのネックにあるガラスの出っ張り(リング部分)を左右のアームで強固にロックし、密閉パッキンによって数気圧の圧力に耐えられる強固な設計になっています。
さらに近年では、ボトル内に不活性ガス(アルゴンガス等)を注入して酸化を防ぎつつ、数気圧で加圧密閉するハイエンドなプリザーバーシステムも普及しています。一般家庭であれば、1,000円〜2,000円前後で購入できるスチール製のロック式シャンパンストッパーを装着し、庫内温度の安定した冷蔵庫の野菜室やドアポケットで「立てた状態」で保管すれば、抜栓後2〜3日は心地よい発泡感を十分に維持できます。