家族が警察に行方不明者届を出した際、警察がどのように対応するかは、法律上明確に区分されています。その判断基準となるのが「特異行方不明者」と「一般家出人」の仕分けです。
特異行方不明者とは、以下のようなケースを指します。
・殺人、誘拐などの犯罪に巻き込まれている恐れがある
・水難、交通事故などの危険に遭遇している可能性がある
・遺書があるなど、自殺の恐れがある
・幼年者(おおむね13歳以下)や高齢者、自救能力のない病人
・本人の意思に反して連れ去られた疑いがある
特異行方不明者に分類された場合、警察は事件・事故として緊急配備を敷き、鑑識や機動隊の投入、防犯カメラの解析や通信履歴の照会など、積極的な捜索活動を展開します。
対照的に、成人が自らの意思で家を出たと判断される場合は一般家出人として扱われます。日本国憲法が保障する「移動の自由」があるため、民事不介入の原則から警察が実力行使で居場所を探し出すことは原則として行われません。パトロール中の職務質問などで偶然発見された場合でも、本人が居場所の開示を拒絶すれば、家族に対しても「無事であること」しか伝えられない規定になっています。