下処理を終えたら、いよいよ煮込みの工程に入ります。ここで味の骨格と保存性を決定づけるのが、夏みかんジャムの砂糖の黄金比率です。結論から言えば、下処理を終えて水気を絞った果皮と、種・薄皮を取り除いた果肉を合わせた「総重量」に対し、グラニュー糖または上白糖を55%〜60%合わせるのが最もバランスに優れています。
「糖分を控えて40%以下にしたい」と考える方も少なくありませんが、柑橘類のジャムにおいて50%を下回るとゲル化が極めて困難になり、保存期間も著しく低下します。糖度をしっかり確保してこそ、夏みかん特有の強烈なクエン酸と調和し、透明感のある美しい琥珀色に仕上がります。
以下に、取材に基づき標準化した夏みかんジャム作り方詳細まとめの手順を提示します。
- 果肉の房出し:房の薄皮(じょうのう膜)をハサミや手で丁寧に剥き、果肉を取り出します。取り出した際に出る果汁も余さずボウルに集めます。
- 種の確保:取り出した種は捨てずに集め、だしパックやお茶パックにまとめて入れておきます。これが後述するペクチンと種のとろみ付け効果を発揮します。
- 果皮の計量と細切り:水気をしっかり絞った皮を長さ2〜3センチ、幅1〜2ミリの極細千切りにします。
- 砂糖の浸透:鍋(ホウロウまたはステンレス製)に果肉、果汁、千切り皮を入れ、総重量の60%の砂糖のうち「半量」を振りかけて30分ほど放置し、自然な水分を引き出します。
- 強火から中火で加熱:火にかけ、種を入れたお茶パックを鍋の中心に沈めます。アクが大量に出てくるため、網じゃくしで徹底的にすくい取ります。
- 残りの砂糖を2回に分けて投入:沸騰後、残りの砂糖を2回に分けて加えることで、皮が硬くなるのを防ぎ、ふっくらとした食感に煮上がります。
- 煮詰めと仕上げ:焦げ付かないよう木べらで鍋底を八の字にかき混ぜながら、中火で15〜20分ほど煮詰めます。ヘラを持ち上げたときにポタッ、ポタッとゆっくり滴る濃度になれば完成です。