夢と現実の狭間で揺れる佐藤を支え、最終的に崖っぷちから救い出したのが、当時交際していた現在の妻だった。サラリーマンを辞めるべきか、それとも役者の夢を諦めるべきか。懊悩する佐藤に対し、彼女は「あなたは役者をやるべき人だよ」と静かに、しかし断固として告げたという。
この言葉がなければ、今日の「怪優・佐藤二朗」は誕生していなかったかもしれない。彼女の言葉に背中を押された佐藤は、30歳を目前にして再び退路を断ち、演劇の世界へと身を投じることになる。売れない役者生活を支え続けた妻との絆は、彼の人生における最大の転換点だった。