小説と並び、中島らもの真骨頂と評されるのが、朝日新聞大阪本社版で長期連載された名物コラム『明るい悩み相談室』です。読者から寄せられる奇想天外な悩みや深刻な家庭問題に対し、時に脱力するような笑いで返し、時にハッとする本質的な知恵を授けました。
彼の言葉が多くの人々の胸を打つのは、決して上から目線の説教をせず、常に「同じ地べたに這いつくばる者」としての視点を失わなかったからです。数々の著作から生まれた名言は、今もSNSなどで引用され続けています。
「教養とは、自分ひとりで時間をつぶせる技術のことである」
テレビやネットの刺激に流されず、孤独な時間の中で自分の精神を救うための武器こそが教養であると説いたこの言葉は、情報過多に疲弊した現在においてより一層の重みを持っています。
「人間、生きてるだけでたいしたもんや」
生きる意味や成果を過剰に求められる社会に対し、ただ呼吸をして今日をやり過ごすこと自体の尊さを肯定した言葉は、多くの追い詰められた人々の心を救地へと導きました。