走行中に「まぶたが重い」「前の車との車間距離が掴みにくい」と感じた場合、すでに脳機能の一部は停止しています。重大事故を未然に防ぐための確実な高速道路の眠気対策として、交通安全工学と睡眠医学の両面から導き出された標準手順を把握しておく必要があります。
まず押さえるべきは、科学的に最も高い効果が認められている効果的な仮眠方法「コーヒーナップ(Power Nap + Caffeine)」の技術です。仮眠を取る直前に、缶コーヒーや緑茶などからカフェインを摂取します。このカフェイン摂取のタイミングが最大のポイントです。経口摂取されたカフェインは胃腸から吸収され、血中濃度がピークに達して脳内の睡眠誘発物質「アデノシン」の受容体をブロックし始めるまでに約20分から30分のタイムラグがあります。
したがって、カフェインを飲んですぐにシートを倒し、15分から20分間だけ目をつむるのが理想的です。仮眠によって脳内に蓄積したアデノシン自体が分解・減少し、ちょうど目覚める20分後にカフェインの覚醒効果が立ち上がってくるため、目覚めの不快感(睡眠慣性)を完全に断ち切ることができます。注意点として、仮眠時間を30分以上にしてはいけません。深いノンレム睡眠に入り込んでしまい、起床後に激しい倦怠感とふらつきが生じ、運転復帰が困難になるためです。
サービスエリアやパーキングエリアまで数キロ走らなければならない緊急時には、即効性のある眠気覚ましとして末梢神経をダイレクトに刺激する眠気覚ましのツボを活用するのが有効です。
- 中衝(ちゅうしょう):中指の爪の生え際、人差し指側のミリ単位のポイント。親指と人差し指で挟み込むように強めに押し揉むことで、中枢神経系を刺激します。
- 合谷(ごうこく):手の甲側、親指と人差し指の骨が交差する手前のくぼみ。やや強めに「痛気持ちいい」と感じる強さで5秒間押し、ゆっくり離す動作を繰り返します。万能のツボと呼ばれ、血流を瞬時に促進します。
- 風池(ふうち):後頭部の首筋の太い筋肉の外側、髪の生え際にある深いくぼみ。親指を当てて頭の中心に向けて押し上げると、頭重感が緩和され視野の明瞭度が戻ります。