鬱蒼とした木立ちを抜けると、息を呑むような石段と苔寺の伽藍が現れる。この圧倒的なロケーションに目をつけたのが、国内外の映像クリエイターたちだ。数々の名作映画や大作ドラマの舞台裏で暗躍してきたのが滋賀ロケーションオフィスであり、同組織の緻密なサポート体制によって東近江の景観は世界へと解き放たれた。
日本映画史に刻まれるアクション巨編、映画『るろうに剣心 最終章 The Beginning』の撮影でも、東近江市内の重厚なロケーションが決定的な世界観を構築した。CGでは決して再現できない風雪に耐えた木造建築の木肌や、自然光が織りなす陰影。その本物の質感こそが、世界屈指のフィルムメーカーたちを惹きつけてやまない。
いまやNetflixやAmazon Prime Videoといったグローバル配信プラットフォームを通じて、日本の歴史的景観は数十カ国へと瞬時に届く。画面越しにその美しさに打たれた海外の映画ファンや旅行者が、実際にその地を訪れるロケーション・ツーリズム(聖地巡礼の動きは年々加速している。映像を契機とした人の流入は、地域経済に確かな熱量を注ぎ込んでいる。