ソニーの歴史を語る上で欠かせないのが、共同創業者である盛田昭夫氏と岩間好一氏の血縁・信頼関係です。岩間氏は盛田氏の妹である菊子(きくこ)氏を妻に迎えており、2人は義理の兄弟という間柄でした。しかし、その関係性に甘えや私情が入り込む余地は一切ありませんでした。
盛田昭夫氏は生前、自著やメディアの回顧録で「好一君ほど厳しく、かつ頼もしい同志はいなかった」と語っています。華やかなプレゼンテーションと卓越したマーケティングで世界を飛び回る盛田氏に対し、岩間氏は常に現場に留まり、技術の課題を冷徹に見極める「守りと攻めの要」でした。
井深大氏が描く壮大な技術の夢を、岩間氏が泥臭い半導体プロセス技術として具現化し、それを盛田氏が世界へ売りさばく――この3人の絶妙な鼎立関係こそが、ソニーを世界的巨大企業へと押し上げた真のエンジンだったのです。