作中世界の生態学的設定に踏み込むと、さらに異なる側面が見えてくる。キメラ=アントの群れは、女王が様々な生物を摂食し、その遺伝子を交雑させて次世代を産み落とす摂食交配によって繁殖する。
師団長クラス以下のキメラ=アントには、元となった人間の記憶や性別意識が残っている個体が多く見られた。ザザンのように明確に女王として君臨しようとした女性型もいれば、男塾風の言動を好むレオルなども存在した。
だが、王直属護衛軍であるピトー、プフ、ユピーの3体は、王を守り育てるためだけに特化した特殊な個体だ。生殖能力を持つのは基本的に「王」のみであり、護衛軍に生物学的な生殖機能としての性別が必要であったかについては疑問が残る。生態系上の役割から考えれば、彼らは「無性」あるいは「生殖機能を必要としない生物」として設計された可能性も極めて高い。