「『NANA』とヴィヴィアンは公式コラボ商品を発売していたのか?」という疑問は、新規のファンや当時の事情を知らない層の間で今も頻繁に議論されるトピックです。
結論から言えば、漫画『NANA』とヴィヴィアン・ウエストウッドによる公式のタイアップ製品やダブルネームのコラボレーション商品は一切存在しません。作中に登場するアイテムはすべて、当時ヴィヴィアン・ウエストウッドの正規ラインとしてインライン販売されていた既存コレクションです。
ではなぜ、あたかも公式コラボであるかのような強固なイメージが定着したのでしょうか。理由は大きく2つあります。
第一に、作画における圧倒的なリアリティです。矢沢あい氏はアイテムの金属光沢、オーブの傾き、レザーの質感、さらにはリングの刻印に至るまで実物を徹底的に観察して精密に描写しました。ブランド側へ敬意を払った真摯な作画が、読者に「NANA公式グッズ」と錯覚させるほどの説得力を生んだのです。
第二に、実写映画版での忠実な衣装再現です。2005年に公開された実写映画『NANA』において、大崎ナナを演じた中島美嘉氏の衣装には実際のヴィヴィアン・ウエストウッドのアイテムが数多く採用されました。映画の公式ビジュアルや劇中で本物のオーブライターやアーマーリングが身につけられたことで、両者の結びつきはカルチャーとして不可分なものとして完成しました。