過干渉とはどこから?愛情との境界線と大人が受ける影響・対処法

過干渉とはどこから?愛情との境界線と大人が受ける影響・対処法

過干渉とはどこから?愛情との境界線と大人が受ける影響・対処法とはどのようなものなのか? 主要なファクトを丁寧に紐解いて紹介します。

過干渉の呪縛は、子どもの肉体が成長し大人になったからといって自動的に消滅するものではありません。むしろ、社会に出て自立を求められたときに、蓄積された歪みが一気に噴出します。

過干渉で育った大人の特徴として最も顕著に現れるのが、「極端な優柔不断」と「決定への恐怖」です。幼少期からすべての選択を親に下されてきたため、人生のハンドルを自分で握った経験がありません。就職、転職、住居の決定、結婚といった重大な局面はもちろん、日常のランチのメニュー選びでさえ「自分は何を食べたいのか」が分からずパニックに陥るケースが見受けられます。彼らの行動原理は「自分がどうしたいか」ではなく、「親(他者)からどう評価されるか、怒られないか」という他人軸に支配されています。

ネット上の掲示板やSNSに寄せられた当事者の生の手記には、痛切な苦悩が刻まれています。

「30歳を過ぎても、新しい服を買うたびに『母にダサいと否定されないか』と怯えている自分がいる。母の機嫌を損ねないことだけを考えて生きてきた結果、自分が何を好きで、何に怒りを感じるのか、感情の輪郭が完全に失われてしまった」(32歳・女性・大手メーカー勤務の手記より)

「子どもの頃から『お前は不器用だから』と親がすべてを手続きし、進学も就職も親の言いなりだった。いざ会社に入ると指示待ち人間だと罵倒され、メンタルを病んで休職した。親は『あんな会社選ぶからだ』と私を責めた。人生を盗まれた感覚が消えない」(28歳・男性・元金融関係の手記より)

精神医学の世界では、こうした成育歴を持つ人々がアダルトチルドレン(機能不全家族で育ち、トラウマを抱えた大人)として自認するケースが極めて多いことが知られています。常に親の顔色を伺い「良い子」を演じ続けた代償として、自己肯定感への悪影響は計り知れません。「ありのままの自分には価値がない」「親の期待に応えられない自分は生きている意味がない」という無価値感に慢性的に苛まれ、恋愛や結婚生活においても相手に過剰に依存するか、逆に相手を過度にコントロールしようとする破壊的な人間関係を再生産してしまうのです。

山口 彩花
著者

山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。