本郷猛が発する言葉には、自らが改造人間という異形の存在である苦悩を受け止めながらも、善意を信じ抜く気高き精神が宿っています。シリーズを通して放たれた本郷猛の名言は、半世紀を経ても色褪せることがありません。
代表的な言葉として挙げられるのが、戦う意味を端的に示したフレーズです。
「仮面ライダーは、人間の自由のために戦うのだ」
国家や特定の組織の利益のためではなく、一人ひとりの人間が笑顔で平穏に生きる権利(=自由)を守るために拳を振るうというスタンスは、ショッカーの洗脳・管理主義に対する最大のアンチテーゼでした。また、「力は正義のために使わなければ意味がない」「仮面ライダーは人間の味方だ」といった言葉の数々には、暴力の虚しさを知り尽くした者だけが放てる重みがあります。
過酷な運命に抗いながら、決して弱者を見捨てず、時に厳しく後輩ライダーを諭す彼の言葉は、正義の意味が揺らぎがちな現代においても確固たる指針を示し続けています。