トルコ日本人殺傷事件の真相|カッパドキアの悲劇と判決・現在

トルコ日本人殺傷事件の真相|カッパドキアの悲劇と判決・現在

トルコ日本人殺傷事件の真相|カッパドキアの悲劇と判決・現在を徹底追究! 知っておきたい トピックの裏側を凝縮して配信します。

平和な観光地で突如として起きた女子大生殺傷事件は、トルコ国内外に激震を走らせました。トルコ警察はメンツをかけた大捜査網を敷き、事件発生から間もなく捜査線上に浮上した男が拘束されました。当初、現場付近で目撃された別の男性が身柄を拘束されたものの、DNA鑑定や寺脇さんの証言などから誤認であることが判明して即座に釈放。その後、真犯人として浮上したのが、地元出身の無職、ファティ・ウズン(Fatih Uzun、当時27歳)でした。

ウズンは自身の車で渓谷沿いを走行中、自転車で観光していた無防備な日本人女性2名を見かけ、性的暴行を企てて車を降り、凶器を手に2人を追跡しました。法廷の審理および捜査報告書によると、犯行の直接的な動機は「突発的な性的欲望と、抵抗されたことによる逆上、および証拠隠滅」という極めて自己中心的かつ凶悪なものでした。

犯人は性的暴行を試みようとしたものの、被害者たちが激しく抵抗したことに逆上。持っていたサバイバルナイフで栗原さんの命を奪い、寺脇さんにも致命傷を負わせた上、所持品(現金やデジタルカメラなど)を奪って証拠隠滅を図り逃走しました。現場に残されたDNA型、被害者の遺留品、車両のタイヤ痕など動かぬ証拠が突きつけられ、ウズンは逮捕後に罪を認めました。

2014年、ネヴシェヒル重罪裁判所において下されたファティ・ウズンに対する判決は、極めて峻厳なものでした。トルコ司法は国家の威信と外国人観光客の保護、そして何より卑劣な凶行に対する正義を示すため、以下の主文を言い渡しました。

  • 栗原舞さんに対する殺人罪:加重終身刑(仮釈放の条件が極めて厳しく制限される、トルコ刑法上最高刑の無期懲役)
  • 寺脇綾香さんに対する殺人未遂罪、性的暴行罪、強盗罪など:合計懲役99年6カ月

ウズン側は控訴したものの、上級裁判所によって一審判決が全面的に支持され、刑が確定しました。情状酌量の余地を一切認めない完全な厳罰判決であり、トルコ司法が下し得る事実上の絶対的終身刑として決着を見ることとなりました。

山下 哲也
著者

山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。