シャウアプフの最期は、少年漫画の強敵としては異例なほど静かで、虚無に満ちたものでした。多くの読者が記憶を混同しやすいポイントですが、プフはハンター側との直接戦闘で敗れ去ったわけではありません。
彼の決定的な死因は、ハンター協会会長アイザック=ネテロが自身の心臓停止とともに起爆した近代兵器「貧者の薔薇(ミニチュアローズ)」に含まれていた生物化学毒です。爆心地で瀕死の重傷を負ったメルエムを救出するため、プフとユピーは自らの肉体の大半を液状化して王に献上しました。この献身によって王は復活を遂げましたが、代償としてプフは本来の戦闘力を大幅に失い、さらにはメルエムの身体に付着・濃縮されていた薔薇の遅効性毒を直接体内に取り込む結果となったのです。
毒は確実に護衛軍の細胞を蝕んでいきました。まずモントゥトゥユピーが吐血して突然死を遂げ、プフもまた鼻や口から激しく出血しながら、歩行すら困難な状態に陥ります。最期の瞬間、プフは東ゴルトー宮殿の外、民衆が集まる広場の路傍でうつ伏せに倒れ、誰に看取られることもなく静かに息を引き取りました。自らが作り上げた「完全なる王」の理想が崩れ去り、メルエムが最後に対等な他者(コムギ)と過ごす時間を選んだことを見届けながら散っていったその姿は、痛切な哀愁を帯びていました。