「夫が急死した後、何十年も連絡を取っていなかった義理の弟から弁護士を通じて遺産分割協議の申し入れが届いた」。これは都内の法律事務所に持ち込まれた実例です。多くの人が「配偶者が全額相続する」と誤認していますが、民法が定める法定相続のルールは残酷なほど冷徹です。
子供がいない夫婦において、両親や祖父母(直系尊属)がすでに他界している場合、子なし夫婦 相続 兄弟姉妹という構図が自動的に発生します。民法第900条の規定により、法定相続分は配偶者が4分の3、亡くなった側の兄弟姉妹(兄弟姉妹が他界していれば甥・姪)が残る4分の1を取得します。
仮に遺産の大部分が「自宅不動産」であった場合、事態はさらに深刻です。預貯金が少なければ、兄弟姉妹に4分の1の現金を支払うために自宅を売却せざるを得ない事態に追い込まれます。さらに、相続人の一部が認知症であったり行方不明であったりすると、遺産分割協議自体が完全にストップし、不動産の売却も口座の凍結解除もできなくなるリスクを抱えます。
しかし、ここには極めて重要な法的防衛策が存在します。兄弟姉妹には、民法で最低限の取り分を保障する「遺留分」が認められていません。つまり、子供のいない夫婦 財産分与 遺留分の観点から見れば、「妻(夫)に全財産を相続させる」旨の遺言書さえ存在していれば、兄弟姉妹から遺留分減殺(侵害額)請求をされる心配は一切なく、100%の財産を配偶者に遺すことが可能です。
もし将来的に配偶者や親族へ迷惑をかけたくない不動産を抱えている場合は、早期の売却処分や子供のいない夫婦 不動産 相続放棄のスキームを視野に入れた事前整理が欠かせません。