終末期を緩和ケア病棟で過ごした患者の遺族手記や、介護現場のSNS・知恵袋等に寄せられる生の声には、事前シミュレーションでは見えにくいリアルな現実が刻まれています。
「当初は月100万円以上かかるのではないかと怯えていたが、病院の医療ソーシャルワーカーに相談したところ、母(70歳以上・非課税世帯)の自己負担額は食事代込みで月7万円程度に収まった。痛みのコントロールが劇的に改善し、もっと早く一般病棟から転棟させるべきだった」(60代遺族・手記より)
「全室個室の綺麗なホスピスを選んだが、1日2万円の差額ベッド代を承諾してしまい、2ヶ月弱の入院で約120万円の出費となった。手厚いケアには心から感謝しているが、貯蓄の目減りに対するプレッシャーは想像以上だった」(50代長男・SNS投稿より)
日本ホスピス緩和ケア協会の調査データ等によると、緩和ケア病棟の入院期間平均は約30日〜45日前後です。「一度入ったら亡くなるまで出られない場所」という認識も過去のものとなりつつあります。近年は、激しいがん性疼痛や呼吸苦を緩和するための「一時的な入院(レスパイト入院・症状コントロール)」を行い、状態が落ち着いたら自宅へ戻って訪問診療へ切り替えるケースが約20〜30%を占めています。入院期間が短縮化傾向にあることも、総費用を現実的な範囲に収める要因となっています。