主題歌「男の勲章」の原曲は、1982年4月にリリースされた嶋大輔の2ndシングルです。作詞・作曲を横浜銀蝿のギタリスト・Johnnyが手掛け、当時のツッパリブームのド真ん中で約37万枚を超える大ヒットを記録しました。時代を象徴する不良たちのバイブル的ナンバーであり、硬派で哀愁を帯びたロックンロールサウンドが特徴です。
ドラマ版「今日俺バンド」が披露したカバーバージョンは、原曲の持つ無骨な不良の美学を忠実に受け継ぎつつも、劇伴作家・瀬川英史の手によって現代的なポップロックへと見事なトランスレーションが施されています。テンポ感を絶妙に引き上げ、ドラムのアタック感と歪んだディストーションギターを際立たせることで、2010年代後半以降のリスナーの耳にもダイレクトに刺さるドライブ感を生み出しました。
決定的な違いは、清野菜名と橋本環奈による女性コーラスの導入です。嶋大輔の原曲が「男同士の孤独な戦いと意地」を独白調で歌い上げる硬質な世界観だったのに対し、今日俺バンド版は女性陣のハツラツとした「合いの手」が加わることで、学園コメディに相応しい開放感とパーティーチューンの装いを獲得しました。
歌詞自体は一切改変されておらず、「つっぱることが男の たった一つの勲章」という強烈なパンチラインがそのまま歌い継がれています。しかし、賀来賢人と伊藤健太郎の若さ溢れるシャウトが重なることで、昭和のリアルな非行少年の悲哀から、不器用ながらも仲間を守るために立ち上がる「真っ直ぐな青春讃歌」へと鮮やかに意味合いがシフトしています。