大相撲の廻しに付く「さがり」の謎|落ちても反則にならない理由と本数の秘密

大相撲の廻しに付く「さがり」の謎|落ちても反則にならない理由と本数の秘密

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テレビ中継で見ると柔らかい紐のように見えるさがりですが、十両以上の関取が身につける本番用のさがりは、板のようにピンと張った状態で固定されています。これには伝統的な製法と安全上の緻密な工夫が隠されています。

さがりの素材には絹糸が使われており、海藻から抽出した天然の糊である「ふのり(布海苔)」を煮詰めて何度も塗り重ねることで、乾燥させてカチカチに固めています。あえて硬く固める最大の理由は、「力士の指が引っかかる事故を防ぐため」です。

もしさがりが柔らかい紐のままだと、廻しの前立腹(前みつ)を引きつけようと手を伸ばした対戦相手の指が絡まり、突き指や骨折、腱断裂などの大怪我を引き起こす危険性があります。ふのりで棒状に固めておくことで、相手の指が触れても滑って逃げるようになり、強い圧力がかかると自ずと根元から抜けて落ちる構造になっているのです。

区分・項目関取(十両・幕内)力士養成員(幕下以下)構造・規定上のポイント使用素材絹糸(ふのりで硬化)木綿(固めない平紐)関取のみ締め込みと同系色の絹糸を使用本数の基準奇数(17本〜21本が主流)奇数(13本〜17本程度)「割り切れない=勝負がつかない」縁起担ぎ廻しの部位名称前みつの折り返し部分に挿入前立腹の間に挟み込み結び目を作らず挟むだけで抜けやすく設計落ちた際の扱い勝敗に影響なし(行司が排除)勝敗に影響なし(行司が排除)土俵上の怪我防止のため素早く外へ出される
前田 葵
著者

前田 葵

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。