夜間金庫の仕組みは、物理的な堅牢性と厳格な事務管理の上に成り立っています。店舗の外壁部分に頑丈な投入口が設置されており、そこから投函された現金袋は、銀行店舗内の地下や奥深くに設置された巨大な耐火・防盗金庫へと直結するシュート(滑り台状の通路)を通って落下します。
預け入れを行う際は、銀行から貸与される専用バッグと鍵を用います。事業者は当日の売上金と入金帳票(入金票)をバッグに封入して施錠し、銀行の外壁にある投入扉を専用の開閉鍵で開けて投函します。投入口は一度バッグを落とすと外部から二度と取り出せない逆流防止構造になっており、投函後の抜き取り盗難を物理的に遮断します。
預け入れられた売上金は、翌営業日の朝に銀行員が2名以上の立ち合い(複分手続)のもとで金庫から回収し、開錠・鑑査・計算を経て指定口座へ入金処理を行います。売上金の預け入れを営業時間外に行える利便性と、店舗内に夜間の現金を残さない高い防犯性が、昭和から平成にかけて広く支持された理由です。