『絶対零度』の音楽世界を語る上で見逃せないのが、劇中を彩るサウンドトラック(サントラ)と主題歌の緊密な連携です。
シーズン3・4の劇伴を担当した横山克は、アニメや映画でも数々のヒット作を手掛ける名匠です。ミハン編における彼のスコアは、ストリングスと電子音、変拍子を複雑に融合させたスリリングな楽曲が多く、視聴者の焦燥感を極限まで煽る設計がなされていました。その緊迫したサントラが最高潮に達した刹那、家入レオの生々しい息遣いとアコースティックなピアノの音色へと移行するコントラストが、ドラマの劇的効果を何倍にも引き上げていたのです。
また、家入レオが「未完成」を制作する際、ドラマのプロデューサー陣と綿密なディスカッションを重ね、あえて「救いのない結末すら想起させるリアルな感情の生々しさ」を歌詞に落とし込んだというエピソードは有名です。タイアップの枠を超え、脚本の精神的支柱となるべく作られたからこそ、何年経っても色褪せない名曲として語り継がれています。