メンヘラ化が発生する現場では、ほぼ例外なく「回避依存症」と「恋愛依存症」の歪んだ相互作用が機能しています。この2つの気質は磁石のように引き合い、破壊的なスパイラルを形成します。
回避依存的な傾向を持つ側は、親密な関係を望みながらも、一定以上の距離に近づかれると息苦しさを感じて逃走(連絡遮断や感情のシャットダウン)を図ります。対する恋愛依存的なパートナーは、距離を置かれた瞬間に「見捨てられた」というパニックに陥り、相手の愛情を確かめるために常軌を逸した長文LINEの送信や、別れを匂わせる「試し行為」をエスカレートさせます。
ここで心理学的に最も危険なのが、心理学者B.F.スキナーが提唱した「間欠強化(intermittent reinforcement)」の罠です。常に冷たいわけでも、常に優しいわけでもなく、予測不能なタイミングで時折与えられる優しさや愛情の報酬は、ギャンブル依存と同様の強烈な執着を生み出します。相手は「次はいつ優しくしてくれるのか」という飢餓状態に置かれ、精神的にすり減りながらも関係から抜け出せなくなるのです。