愛らしい姿で親しまれるつくしですが、植物分類上はトクサ科トクサ属のシダ植物「スギナ」の一部に過ぎません。つくしとスギナは別々の植物が寄り添って生えているのではなく、地中で長く伸びる地下茎によって完全に一体となっています。
最大の違いはその役割にあります。つくしは、春先に子孫を残すための胞子を飛ばす役割に特化したスギナの胞子茎(ほうしけい)です。光合成を行う葉緑素をほとんど持たないため、全体が淡い茶褐色や黄白色をしています。一方、つくしが胞子を放出して枯れた後に生えてくる、青々と茂った杉の小枝のような草が「栄養茎(えいようけい)」と呼ばれるスギナ本体です。スギナは光合成を行い、地下茎に栄養を蓄える役目を担っています。
漢字で「土筆」と表記される由来は、地表からまっすぐ突き出た頭部と軸のフォルムが、まるで土に突き刺さった毛筆のように見える点にあります。また、節の部分から別の節が突き出ているように見えることから「突き挿し」、あるいはスギナに寄り添って継ぎ足されたように見えることから「継ぎ子」と呼ばれ、それが転じて「つくし」という呼び名が定着したという語源説も有力です。