1970年代の『前略おふくろ様』や『池中玄太80キロ』などで愛くるしい笑顔と確かな演技力を見せ、日本中のファンを虜にした坂口良子さん。その訃報が列島を駆け巡ったのは、2013年3月27日のことでした。公式発表による死因は「横行結腸癌(大腸癌)およびそれに伴う肺炎」。享年57という早すぎる別れでした。
病魔が良子さんを襲ったのは、2011年夏頃のことです。当初は胃潰瘍と診断されていましたが、精密検査の結果、大腸の一部である横行結腸に悪性腫瘍が発見されました。すでに肝臓への転移も見られる進行癌(ステージ4)であり、壮絶な闘病生活を余儀なくされます。
当時、良子さんは周囲に病状を伏せ、抗がん剤治療と並行して仕事を継続していました。激やせ報道が週刊誌を賑わせた際も、「重病説」を払拭するために自らブログで腸閉塞の治療中であると釈明し、ファンを安心させようと努めていました。しかし、免疫力の低下から重度の肺炎を併発し、最後は家族に看取られながら静かに息を引き取りました。娘の杏里さんは当時22歳。あまりにも突然で受け止めきれない現実が、彼女の目の前に突きつけられた瞬間でした。