川の近くでなくても浸水?「内水」の真実と都市型水害を防ぐ最新防衛策

川の近くでなくても浸水?「内水」の真実と都市型水害を防ぐ最新防衛策

川の近くでなくても浸水?「内水」の真実と都市型水害を防ぐ最新防衛策の真相や最新動向に迫る! 専門的な視点でまとめました。

水害を正しく恐れ、正しく備えるための第一歩は、「内水(ないすい)」と「外水(がいすい)」のメカニズムの違いを正確に把握することです。日常会話では単に「浸水」「洪水」と一括りにされがちですが、土木工学や水防法において両者は明確に区別されています。

外水氾濫との違いを一言で言えば、「水がどこからやってくるか」です。外水氾濫とは、台風や長期的な大雨によって河川自体の推移が堤防を越えたり(越水)、堤防そのものが決壊・崩壊したりして、川の水が街へ流れ込む現象を指します。これに対して内水氾濫 原因の本質は、市街地や住宅街に直接降り注いだ雨水が、側溝や下水道管などの排水路に処理しきれずに地表面へ停滞・氾濫することにあります。

日本の都市部における雨水排水管は、多くが「1時間に50ミリ〜60ミリ程度」の降雨を想定して設計されています。しかし近年頻発するいわゆるゲリラ豪雨 浸水リスクは、局所的に時間雨量80ミリから100ミリを超えるケースも珍しくありません。許容量をはるかにオーバーした雨水は逃げ場を失い、道路の側溝やマンホールから逆流して地上へとあふれ出します。さらに、街の雨水を川へと吐き出す水門が、本川の水位上昇に伴って閉じられることで(内水が川へ流せなくなる「バックウォーター現象」など)、ポンプ場の排水機場 ポンプ能力を上回り、街全体が巨大な水たまりと化してしまうのです。

項目内水氾濫(雨水出水)外水氾濫(河川氾濫)編集部の見解・評価水の発生源街中に降った雨水(排水能力オーバー)河川の水(堤防決壊・越水)内水は川から数km離れていても直撃する氾濫に至る時間豪雨開始から10分〜30分程度で急変数時間〜数日(上流の降雨が到達)内水は避難のためのリードタイムが極めて短い浸水深の傾向数cm〜1m程度(局所的に地下は水没)2m〜5m以上(家屋倒壊の危険あり)内水は水深が浅く見えても流速とマンホールが危険典型的な発生場所都市部の低地、すり鉢状の窪地、地下空間堤防沿い、扇状地、三角州、旧河道都心のオフィス街や駅前ロータリーも頻発地帯主な確認マップ内水ハザードマップ洪水ハザードマップ(浸水想定区域図)行政サイトで両者を重ねて見ることが不可欠
前田 葵
著者

前田 葵

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。