原因が判明すれば、対処は極めて明快だ。状況と目的に応じて、Word行間を詰める方法にはいくつかの明確なアプローチが存在する。実務で即座に使える5つのテクニックを解説する。
1. 最頻出トラブルを断つ「グリッド線に合わせる解除」
フォントサイズを大きくした際に行間が急拡大した場合は、まずこの設定を解除する。対象のテキストを選択した状態で右クリックし、「段落」ダイアログボックスを開く。「インデントと行間隔」タブの下部にある「1ページの行数を指定時に文字をグリッド線に合わせる」のチェックボックスを外してOKを押す。これだけで、文字が不自然に次のグリッドへ飛ぶ現象がストップし、フォントサイズに応じた自然な詰まり具合へと即座に復帰する。
2. 狙い通りのミリ幅をミリ単位で制御する「Word行間固定値の微調整」
行間を用紙サイズやレイアウトに合わせてミリ単位でタイトにコントロールしたい場合、行間の種類を「倍数」ではなく「固定値」に変更するのがプロの常套手段だ。「段落」ダイアログの「行間」プルダウンから「固定値」を選択し、右側の「間隔」に直接ポイント数(pt)を入力する。
目安として、本文フォントが10.5ptであれば、固定値は14pt〜16pt程度に設定すると、詰まりすぎず読みやすい美しい行送りが完成する。フォントサイズより小さい数値を設定すると文字の頭部が欠けてしまうため、必ず「フォントサイズ+3〜5pt以上」を基準値として微調整するのが鉄則だ。
3. 余計な隙間を一掃する「Word段落前後のスペース削除」
「Enterキーを押した場所だけ不自然に開く」という場合は、リボンの「ホーム」タブにあるWord行と段落の間隔設定アイコン(上下矢印と横線のアイコン)をクリックする。メニュー最下部に表示される「段落前にスペースを追加しない」または「段落後にスペースを削除」を選択することで、不要な余白が一瞬で消失する。段落ダイアログ内の「段落前」「段落後」の数値を手動で「0行(または0pt)」にリセットしても同様の効果が得られる。
4. 入力時のストレスを根本から防ぐ「Shiftキー改行の違い」
文章を入力する際、EnterキーとShiftキーの併用を意識しているだろうか。一般的な「Enter」キー押下は段落区切り(パラグラフの終了)を意味し、段落余白が自動適用される。一方、「Shift+Enter」を押すと、段落を維持したまま行だけを改行する「段落内改行(行区切り)」が実行される。見出し直下の補足テキストや箇条書きの途中で余計な間隔を空けたくない場合は、Shift+Enterを活用するだけで、段落設定を崩さずにタイトな整列を保てる。
5. ドキュメント全体の統一感を確保する「Word文書全体の行間一括変更」
すでに書き終えた長文文書全体の行間を整えるには、ショートカットキー「Ctrl+A(Mac版はCommand+A)」で全選択した上で段落設定を適用するか、「レイアウト」タブ内のページ設定と文字数行数から、ドキュメント全体の「行送り」の基準値を一括で再定義する。「標準」スタイルそのものを右クリックして「変更」から行間を固定しておけば、新しく追加する文章にも常に同一の美しい行間が引き継がれる。
なお、Word行間設定Mac版を利用している場合も、基本ロジックはWindowsと完全に共通している。上部メニューバーの「フォーマット」>「段落」から同様にグリッド線の吸着解除や固定値指定が可能であり、ショートカットキーがOptionやCommandに置き換わる点だけを念頭に置けば迷うことはない。