菊之助の活躍は歌舞伎座の舞台だけに留まらない。テレビの時代劇や現代ドラマ、大型舞台作品においても、その洗練された佇まいと迫真の演技力で高い評価を得てきた。義父・吉右衛門が打ち立てた『時代劇の金字塔』の精神を受け継ぐかのように、映像の世界でも和の美徳を体現し続けている。
一方で、近年のデジタル技術の進化により、伝統芸能の鑑賞スタイルも激変した。劇場に足を運べない遠方のファンや海外のファンに向けて、高画質な舞台映像が手軽に届けられる時代が到来している。本物の芸が持つ緊迫感や美しさは、メディアの垣根を超えて世界中へと届いているのだ。