本作を語る上で欠かせないのが、毎話オープニングからSNSを騒然とさせた「超弩級ゲストの無駄遣い」とも評された豪華キャスティングです。第1話の冒頭、三橋が金髪パーマをかける美容室の店主役として登場したのは、なんと小栗旬でした。「テッペン獲るとか言わないでね、ケンカとか絶対ダメだよ」と、自身の代表作『クローズZERO』の滝谷源治を自虐的にセルフパロディした瞬間、ドラマの方向性と遊び心は決定づけられました。
その後に続いたゲスト陣の顔ぶれも凄まじいものがあります。
- 山田孝之:風俗店の客役として、わずか数分間の独特すぎる怪演を披露。
- 山﨑賢人:最終回ラストシーン、開久高校をシメに来たOBヤンキー・香取役として突然降臨し、視聴者を絶叫させた。
- 堤真一:福田作品の重鎮として、冴えないおじさん役で画面に乱入。
- 浜辺美波:第8話で軟葉高校の新入生役として、クラシカルな聖子ちゃんカット姿でワンカット出演。
- 中村倫也:第5話で東京から乗り込んできた狡猾なシティ派ヤンキー・紅野役として三橋たちと激突。
- 柳楽優弥:ドラマ版第3話の冒頭、福田監督作『アオイホノオ』の焔モユルそのままの姿で登場。
- その他:新川優愛、桜井日奈子、島崎遥香、高橋克実、池谷のぶえ、横山歩、城田優など、各話のキーポイントに錚々たる面々が名を連ねました。
なぜ、これほどまでに主演級の俳優たちが、クレジットも控えめなカメオ出演を快諾したのか。制作関係者への取材や当時のインタビューから浮き彫りになるのは、「福田雄一監督への強い恩義」と「座長・賀来賢人を男にするための同世代の結束」という2つの明確な理由です。
当時、福田組の常連としてコメディリリーフを任されることが多かった賀来賢人にとって、本作は名実ともに俳優人生を賭けた「GP帯初主演作」でした。小栗旬や山田孝之といった『勇者ヨシヒコ』や『銀魂』で福田監督と苦楽を共にしてきた先輩たちは、「賀来の晴れ舞台を全力で盛り上げたい」という熱い男気から二つ返事で出演を引き受けたと証言されています。また、山﨑賢人ら同世代のトップランナーたちも、作品自体の面白さと賀来へのエールとして、あの贅沢な1カットに身を投じたのです。